株式投資のスタイルについて

株式投資のスタイルについて

野球やサッカーなどのスポーツ、将棋やポーカーなどのゲームにも幾多の戦略・戦術が存在しますが、それは株式投資も同様です。一般的にはどんなスタイルが有るのか、それぞれの特徴を考察してみます。

どんな戦略が有効…?

色々なスタイルを見てきた中で、ざっくりと分類すると以下のような感じになります。

  • デイトレード
  • ファンダメンタルズ
  • モメンタム
  • カタリスト
  • インカムゲイン

何となく格好良いかなとカタカナで揃えてみました…。それぞれどんなスタイルなのか個別に見ていきましょう。

デイトレード

株式取引を全てその日のうちに完結する方法です。通常株式とはその企業の価値を分割したものなので、一日のうちで価値が大きく変動することは有りません。しかし実際は以下のように1日の中で価格が変動していますので、そこで利益を上げることが可能です。

寄り付きの6790円で買い、その後の6800円で売れば10円の差益が得られます。例え10円の値動きしかなくても、1万株取引すれば10万円の利益となります。そのように小さな値幅の中で大きく利益を上げるためには株数を増やす必要があり、デイトレーダーが好むのは大きな株数を価格を上下させずに売買できる出来高の大きな銘柄です。普段は売買が少ない銘柄でも、大きなニュースがあった銘柄は極端に売買が増えデイトレーダーが集まることが有ります。

しかし根本的には株式の利益は企業が得た利益の還元であり、1日の価格差の中で利益を得るのは正攻法とは言えません…手っ取り早く利益が手に入るとなれば、他にもデイトレードを狙う人が増え利益の奪い合いとなります。難易度は高いと言えますが、株式を長期間保有すると世界経済の悪化リスク、個別企業の不祥事や粉飾決算、事故、天災などリスク要因が多数存在します。それらの影響を受けずに株式取引が出来るのはメリットです。

ファンダメンタルズ

ファンダメンタルズとは 企業の経済状態を表す指標のことで、具体的には売上高や利益といった業績や資産、負債などの財務状況を指します。それらの指標を他の企業と見比べ、相対的に割安となっている株式を購入する方法です。株価とは企業価値から自動的に値段が付く訳ではなく、株式市場参加者の売買状況により値段が決定されるので様々な条件により割安となっている株式が存在します。

具体的な手法としては企業が四半期毎に提出する決算書類を読み解くことです。
もしくは以下のような企業分析サイトを使うのも良いかと思います。

https://www.buffett-code.com/
バフェット・コード 企業の比較分析が可能な優秀なサイトです。

また業績予想や企業概要のまとめと言えば「会社四季報」が有名ですが、最近の業績予想は適当差が目に付き、大幅に外れることも珍しくありません…。
「死期報」などと呼ぶ人も見かけます。

モメンタム

モメンタムとは「勢い」の意味です。株価の上昇、または下落がそのまま継続すると見て投資する手法です。

上下に「トレンドライン」を引いてそれが継続すると見て投資します。

上にあるチャートのように、細かい上下はあっても一定のペースを保って上昇しているのが分かるかと思います。これは上昇している場合ですが、下落する場合も上下しながらも一定のペースで下落することが少なくありません。

これは株価が上昇し続けている場合、買った人は含み益が継続しすぐ株を売ろうとは思わないためです。それにより売り物が減り、株価は更に上昇しやすくなります。しかし下落が続いている場合、買った人はどんどんと含み損になって行きます…そして含み損に耐えられなくなって売却、売り物が増え株価は更に下落し、また買った人が含み損になり…と株価の下落連鎖が起こります。

このように株価は人間の心理と行動により一定の方向へ動きやすくなっています。これを利用するのがモメンタム投資です。

カタリスト

カタリストは「触媒」の意味です。 触媒とは化学反応の際にそれ自身は変化せず、他の物質の反応速度を早める性質がある物質です。株式投資では化学反応は株価、触媒とは企業が発信するニュースに相当します。

要は業績に大幅な影響を与えそうなニュースが出るのを予想して株式を買い、そのニュースが実際に世の中に出た時の株価上昇を狙う手法です。
このニュースを発表前に企業関係者から直接聞き取ってしまうとインサイダー取引と言って違法になりますが、企業が直接発信しなくてもその兆候をつかみとる方法は有ります。まずカタリストとしては以下のようなものが挙げられます。

  • 業績上方修正
  • 株式分割
  • 増配・記念配当
  • 株主優待新設
  • 新商品の発表、他社との業務提携など

業績の上方修正については、小売業で毎月の売上高や来客数を発表しているならばそれらを集計することで大まかな業績を予想でき、業績予想との乖離があれば上方修正が発表される可能性が高いことになります。

株主優待は東証1部への移行を検討している2部企業が新たに採用することが多いと言えます。これは東証1部の移行要件に株主数が含まれているためで、株主数が不足している企業は株主優待を採用することで個人投資家を呼び込み株主数を充足させようとします。

インカムゲイン

これこそ株式投資の大道と言えるかもしれません。株価の上昇は狙わず、企業利益を配当により長年受け取り利益を得るものです。また株主優待を狙って保有するのもここに含まれると思います。

もちろん配当と優待の両取りも可能ですね。

株式の配当金は、多くても株価の3%程度(/1年)です。1日で10%以上も値上がりする株式は毎日のようにありますので、それらを見ていると物足りないかも知れませんが、先のエントリで紹介した複利の効果を使えばその程度の利回りでも大きな資産を築くことは可能です。このスタイルの魅力は利回りにより株価の下落が抑えられることです。配当や優待のある株式は、値下がれば利回りが上がることになり継続的に買いが入ることがあります。

長くなりましたが様々な手法が有る中で、どれか1つに拘る必要もありませんので試行錯誤しながら自分に合うスタイルを探し、それらを組み合わせる事で資産運用の方法を考えていきましょう。

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