日経先物取引、FX(外国為替証拠金取引)は投資とは言えない

日経先物取引、FX(外国為替証拠金取引)は投資とは言えない

金融商品の種類

投資商品には現物株式の他にもデリバティブ(金融派生商品)と呼ばれる日経平均先物取引、ドルやポンドなど外国通貨を対象とした外国為替証拠金取引など幅広い種類が存在します。しかしこれらの商品に投資初心者は安易に手を出すべきではありません。特にFXと呼ばれる外国為替証拠金取引は外貨預金のように金利が付くのに加え、手元資金の何倍もの金額を投資することが出来るレバレッジ制度により高収益が得られると宣伝する取引業者を良く見かけます。

高金利が得られる通貨として人気なオーストラリアドル(AUD)を一例にすると、現在1AUD=80円で取引されており、基本単位である1万通貨では80万円相当になります。このAUDは政策金利が高いので、日本円との金利差により1年間保有すると2.2%の金利が付きます。日本の銀行預金金利よりずいぶん高いので、魅力的に見えますね。更に先程1万通貨で80万円必要と言いましたが、実際は4万円程度の証拠金を預け入れれば1万AUDは購入できてしまいます。差額は取引業者から貸付という形になり、少ない資金で大きな利益を得られる仕組みです。

上記の条件から1万AUDで得られる金利は年間18250円で、それが4万円の預け入れで得られるとなると何と45%を超える高金利となります。それを複利で運用したらどうなるでしょうか…とてつもない利回りですね。このように良いことばかりに思えますが、AUDがいつまでも80円とは限りません…もし75円に値下がりしたとするとどうなるでしょうか?5円×1万通貨で5万円の損失です。ここで預け入れたのは4万円ですから…既に元本割れどころか資金を完全に失うことになります。5円の変動なんてそう起こらないんじゃ無いか?と思われるかも知れませんが、2019年年初に発生しています。

ほんの数分の間に6円程値下がりし、その一瞬で全財産を失うことになるのです。例のように4万円で済めば良いですが、ツイートでは数千万円と言うとてつもない金額が失われています。

少しFXについて長くなってしまいましたが、日経平均先物取引も同様にレバレッジ制度の悪さよりもゼロサムゲームである所に問題があります。他者の損失が無ければ誰も利益を得られない仕組みです。閉じた輪の中で資金を奪い合うイメージですね。必然的に自分も損失を被る可能性が高くなります。

現物株式とは何が違うのか?

まず現物株式は企業が経済活動で市場外から得たお金が流入しますので、ゼロサムゲームにはなりません。原理上全員が利益を得られる可能性も充分に有ります。アメリカのダウ平均株価は数十年高値を更新し続けているのがその証拠であると言えます。日本株は残念ながらバブル期に付けた高値をいまだ更新できずにいますが…いつかは高値を更新する日が来ると思っています。

FXと先物取引は上手く使えば少ない資金で大きな利益を、また現物株式の弱点を補うことが可能ですが、その難度は株式投資の比では有りません。資金の少ないうちは安易に手出ししないのが最善と考えています。

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