株式取引は高度な対戦ゲームの1つ
株式の売買注文が約定した時、その注文を受けた相手の事を考えたことは有るでしょうか?あなたが買いたいと思った値段で株式を売りたいと思う人が居なければ、取引は成立しません。より値上がりすると思って買う人、これ以上上がらないと思って売る人、相反する考えを持つ人間が市場に集わない限り株式市場は成り立たない構造です。
もちろん全員が自分が正しいと思って行動しています。それぞれの微妙な戦略の違いにより、株式に流動性が生まれ株式市場では日々売買が成立しています。1つは株式を持つ保有期間の違いが、行動に違いに表れてきます。三日で半値に値下がりしたとしても、1年後に3倍に値上がりする株もあるかもしれません。ただその1年を待てない人は今すぐ売るでしょうし、1年待てる人はそこで買いを入れます。株式市場で生き残るには自分だけの判断指標をしっかり持つことが大事です。1年持つつもりで買ったのに、翌日には下落に慄き手放してしまうような事は避けるべきです。
市場の間違いを探す、自分だけの正解を見付ける
株式市場における成功・正解とは何でしょうか?値上がりする株式を探すことですね。市場が常に効率的であれば、そのような株式は直ちに値上がり、適正な価格に落ち着いてしまい値上がり益を得ることは非常に難しくなってしまいます。しかし現実にはそのような事は起こらず、株式の価格は常に変動し数年の間に10倍以上に値上がりする株も現れます。
逆に言えばこれは元々高い価値の有った物が、何かの間違いで1/10の価格で売られていたと考えることも出来ます。株式市場ではそのような事が頻繁に起こります。「市場は常に正しい」という格言も有りますが、言い換えれば「相場は常に間違っている」のです。そうでなければ今まで述べたように売買が成立することはありません。
人の行く裏に道あり花の山
これは有名な相場格言のひとつですが、私の好きな言葉です。誰もが利益を追求している株式市場だからこそ、他の人と同じ行動を取っていては利益を得ることは難しいと考えています。
JSDA 日本証券業協会
株式投資の格言といえば、何をおいてもまず出てくるのが、この言葉である。投資家は、とかく群集心理で動きがちだ。いわゆる付和雷同である。が、それでは大きな成功は得られない。むしろ他人とは反対のことをやった方が、うまくいく場合が多いと説いている。
大勢に順応すれば、確かに危険は少ないし、事なかれ主義で何事によらず逆らわないのが世渡りの平均像とすれば、この格言、多分にアマノジャク精神に満ちている。だが、人生の成功者は誰もやらないことを黙々とやってきた人たちであり、欧米では「リッチマンになりたければ“孤独”に耐えろ」と教えるのが通例。人並みにやっていたのでは、人並みの結果しか得られないというわけだ。
株式相場は、上げばかりでもなければ、下げばかりが続くこともない。どこかで転機を迎える。その転機を、どうしたらつかめるか。四囲の環境や材料から続み取るのは、むろん大切なことだが、大勢があまりにも一方へ偏り過ぎたときなどには、この格言を思い出すことだ。
これと類似の格言に「友なき方へ行くべし」「相場師は孤独を愛す」などがあり、ウオール街にも「人が売るときに買い、人が買うときには売れ」(Buy when others sell; Sell when others buy.)「株というものは高いときには最上に、安いときには最低に見えるものだ」という言葉がある。
株式市場は全員が勝者になれる
投資はゲームだ、相手の裏をかけ…こう言うと市場では勝者と敗者に分かれてしまうような気がしますが、そんなことは有りません。確かに株式投資で損をするのは珍しいことではないですが、株式投資は投資家の間で富を奪い合うものでは無く、市場外から企業が得た利益を受け取るものです。企業が利益をあげる限り、それが配分される株式市場には常にお金が増え続けることになります。短期的には株価の上下により損失を被ることがあるとしても、利益をあげ続ける企業の株式を正しく持ち続ければ最終的には利益を得られる可能性が高いのです。
株式市場はポーカーや麻雀のような不確実性のあるゲームの1つ。相手を出し抜いて勝利を収める必要があるが、最終的には全員が勝利することが出来る。